最近、繁華街の看板や新聞広告、ネットなどで
「クレジットカードのショッピング枠を現金化します。審査不要!最短10分で入金!」
といった宣伝をよく見かけませんか?

これは、いわゆる「クレジットカードのショッピング枠の現金化」を行う業者の宣伝です。

それではこの「クレジットカードのショッピング枠の現金化」とは、いったいどういったものなのでしょうか。

業者に申し込みをすると次のような流れで現金化が行われます。

①顧客は、業者の指定する商品(商品券やプリペイドカードなど)をオンラインもしくは電話で自分のクレジットカードを利用して購入します。
②業者は、顧客がクレジットカードで購入した商品を買い取りその代金を銀行などに振り込みます。
(この段階で顧客は、自分のクレジットカードのショッピング枠を現金化できたことになります)
③業者は金券ショップで販売するか、商品販売元に返品して販売価格を受け取ります。

業者により異なりますが、60~90%程度の換金率でショッピング枠を現金化してくれます。
一見すると便利なシステムに思えますが、次の問題点があるためあまりおすすめできる方法ではありません。

【問題点1】
実質金利は極端な高金利になる
クレジットカードで買物をする際には、一括払い、リボルビング払い、分割払いなどを選べますが、最終的には全額返済することになります。そのため手取り現金に対して金利も含めた総支払額と支払い期間をもとに実質金利を計算してみると予想外の高金利であることがわかります。
なお以下のケースでは10万円分の商品をクレジットカードで購入し、その商品を業者により換金率80%(8万円)もしくは90%(9万円)で現金化と想定します。

〔例1〕
クレジットカードの支払い方法: 一括払い 支払いは1ヵ月後
換金率: 80%の場合 / 90%の場合
実質年利: 300% / 133.3%

〔例2〕
クレジットカード支払い方法: リボルビング払い 2万円/月(年利14.4%)
換金率: 80%の場合 / 90%の場合 
実質年利: 59.4% / 30.6% 

10万円の商品をクレジットカードのショッピング枠の現金化した場合の実質年利
支払い方法     換金率     実質年利
一括払い     80% (8万円)     300%
一括払い     90% (9万円)     133.3%
リボルビング払い 2万円/月     80% (8万円)     59.4%
リボルビング払い 2万円/月     90% (9万円)     30.6%

上記の金利からわかるように消費者金融で融資を受けるよりもはるかに高金利となります。また試算では80%/90%での換金を前提としていますが、実際にはそれ以下の70%程度のことのほうが多くより高い実質年利となります。

【問題点2】
クレジットカードの禁止事項に抵触する
多くのクレジットカード会社はショッピング枠の現金化する手法を禁止しています。そのため現金化していることをクレジットカード会社が把握した場合には、クレジットカードの使用が停止される可能性があります。
軽い気持ちでつかっただけで、クレジットカードを停止されそのうえ以後も発行してもらえなくなる可能性もありますので注意が必要です。

【問題点3】
 業者の信用度に問題がある
ショッピング枠を現金化してくれる業者は
「当店は消費者金融ではありませんので安心です」
などのメッセージを載せています。この言葉の意味を検証したいと思います。

消費者金融は、監督官庁の公式な許可が無ければ営業できません。また出資法、利息制限法などにより金利が管理されています。それに比べて現金化する業者は一切法律による束縛を受けておらずルールもありません。
そして一番重要なのはクレジットカード各社は規約に反して営業しているとして詐欺罪で業者を告訴する可能性を示唆しています。(クレジットカード会社から見るとショッピング枠を利用されますが、実質キャッシング扱いとなっており回収リスクや金利などの点で不当な損失を被っている為)
ショッピング枠を現金化し銀行に振り込まれるまで数日から2週間程度の時間が必要です。もしこれらの告訴が現実となった場合には、業者にショッピング枠だけ利用され現金が振り込まれる前に倒産される可能性などもあります。
結論としては業者は消費者金融でないことは事実ですが、信用度の点で消費者金融を大きく下まわるため安心とは言えません。

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